体性幹細胞について

幹細胞とは分裂して自分と同じ細胞を作る能力(自己複製能)と、身体を作る様々な細胞に変化する能力(分化能)を持つ細胞です。
体性幹細胞とは、個体が成長した後にも様々な組織に存在している幹細胞で、特に間葉由来の組織(骨髄、脂肪、歯髄、臍帯、胎盤など)に存在する体性幹細胞が間葉系幹細胞です。

体性幹細胞のはたらき

間葉系幹細胞は主に以下の3つの方法で身体の修復や病気の回復に作用します

① 抗炎症作用
間葉系幹細胞には抗炎症作用があり、痛みや腫れを抑える効果があります。これは、間葉系幹細胞が分泌する様々な因子(サイトカイン)が、炎症の原因となっている過剰な免疫反応を抑制する働きがあるためと推察されています。

② 組織保護・修復作用:
組織に血管を新しく作らせたり、組織の細胞を増殖させたり、弱っている細胞を保護するよう指令を出します。

③ 免疫調整作用:
自己免疫疾患などで身体の免疫のバランスが悪い場合、免疫バランスを整えます。

幹細胞治療で期待できる効果

幹細胞は老化して傷ついた組織をよみがえらせます。それは幹細胞がさまざまなサイトカイン・成長因子・エクソソームを分泌して、生体に備わった自己複製能力を活性化させることで、傷ついた組織の再生を促進するからです。
幹細胞治療では、これまでの治療方法では効果がなかった病状の改善が多数報告され、様々な病気への応用が期待されています。

治療を受ける際には

実際の治療は提携する医療機関でおこないます。
具体的には患者さまの腹部から10g程度の脂肪組織を採取し、当細胞培養加工施設において、脂肪由来幹細胞の分離と培養をおこない、得られた幹細胞を医療機関にて点滴投与または局所投与(関節内など)で体内に戻します。